DM(ダイレクトメール)には、定型ハガキや圧着封筒など、さまざまな種類があります。
この記事では、紙媒体のDMを送りたいと考えている企業のマーケティング担当者に向け、DMの種類やそれぞれのメリット・デメリット、向いているケースを解説します。送料についても解説しているので、DMの種類を検討する参考にしてください。
目次
DM(ダイレクトメール)とは
DM(ダイレクトメール)とは、顧客に対して直接送付する広告のことです。BtoCの場合は個人の自宅宛てに、BtoBの場合は企業の担当者宛てに送るのが一般的です。営業や宣伝などのマーケティング方法の1つであり、ダイレクトマーケティングとも呼ばれます。
DMを活用する目的は、新規顧客獲得やリピーターの離反防止などさまざまです。不特定多数を対象としたチラシや看板に比べて訴求力が高く、マーケティングにあった種類を選べます。
関連:DM(ダイレクトメール)とは?種類別のメリット・デメリットや成果を得るコツを解説
DM(ダイレクトメール)の種類
DMにはデジタル媒体(メールやFAXなど)と紙媒体(ハガキや封筒)の2種類があります。紙媒体のDMは、デジタル媒体よりも、消費者が信頼感を持ちやすい傾向があります。また、紙質や形状などで記憶に定着しやすいメリットもあり、依然として効果的なマーケティング手法の1つです。
本記事では、紙媒体のDMを取り上げます。次項から、以下5種類の紙媒体のDMについて、それぞれの特徴を解説します。
- 定型ハガキ
- 変形ハガキ
- 圧着ハガキ
- 封筒
- 圧着封筒
定型ハガキ
定型ハガキは一般的なハガキを用いた、最もポピュラーなDMです。高確率で内容を見てもらえることから、キャンペーンの告知や新商品の宣伝などによく用いられます。
変形ハガキ
変形ハガキは、定型外郵便で送付するDMです。変形ハガキで一般的に用いられるA4サイズは、一般ハガキよりも面積が広いため、多くの情報や大きな写真を載せられます。
圧着ハガキ
圧着ハガキは二つ折り、三つ折りで圧着されたDMです。はがして内容をみることになるため、興味を刺激できる効果があります。また、プライバシーを守れるため、広告のほか公共料金の支払い通知などにも用いられます。
封筒
定型や定形外など、さまざまなサイズの文書を封筒に入れて送付するDMの種類です。厚みのあるカタログやパンフレットも送付でき、封筒の色や紙質で差別化も図れます。
圧着封筒
圧着封筒とは、3辺を点線に沿って切り離して内容を見るタイプのDMです。圧着ハガキよりもサイズが大きいことが特徴です。綴じ方を工夫することで、DMを開くとカタログやパンフレットのようになります。
ハガキDMのメリット・デメリット
ハガキDMは低コストで情報を伝えやすいメリットと、内容を見られてしまうデメリットがあります。それぞれについて解説します。
メリット
ハガキDMのメリットは、低コストで送付できることです。枚数が少なく印刷品質にそれほどこだわらないなら、Webサイトなどで入手できるテンプレートを利用して社内製作することで、コストを抑えることもできるでしょう。
ハガキDMは手に取った瞬間に中身が見えるため、情報を伝えられる可能性が高い方法です。そのため、イベント案内やキャンペーンの告知、季節の挨拶など、さまざまな用途で利用できます。
デメリット
面積が限られるハガキDMは、情報量が少ないことがデメリットです。また、誰にでも内容が見えてしまうことから、個人のプライバシーに関わるDMには向きません。
関連:はがきDMのメリット・デメリットおよび効果的な運用方法
ハガキDMが向いているケース
ハガキDMは広範囲に新規顧客開拓を行いたい場合に向いています。コストを抑えられるため、たとえばターゲットを絞らず、エリア全域の顧客にハガキDMを送るなどの戦略を取りやすいからです。
また、既存顧客とのコンタクトを維持したい場合にも、ハガキDMが適しています。ハガキDMは情報量が少ないものの、年賀状や暑中見舞いなど送付自体に意味がある場合は、押しが強い印象にもなりにくいからです。
変形ハガキDMのメリット・デメリット
変形ハガキDMには、サイズや形の自由度が高いメリットと、情報量が中途半端になりやすいデメリットがあります。それぞれについて解説します。
メリット
自社のマーケティングに最適なものを選びやすいことが変形ハガキのメリットです。サイズを大きくして高精細の写真を印刷したり、他社との比較表を載せたりできます。特殊な形の変形ハガキを採用することで、顧客の印象に残りやすくすることもできるでしょう。
また、ハガキと同様に、変形ハガキDMも低コストで送付できることがメリットです。
デメリット
情報が中途半端になる恐れがあります。たとえば動物の形をした変形ハガキで親しみやすさを出せたものの、地図や商品ラインナップなどの情報が十分伝えられなくなるようなケースです。
また、通常ハガキと同じく中身を隠せないため、個人向けDMに向きません。
関連:型抜きはがきとは?特殊な形のはがきを使うメリットとデメリットを解説
変形ハガキDMが向いているケース
変形ハガキDMが向いているケースは、コストを抑えつつ、オリジナリティを出したい場合です。たとえば、インパクトが重要な広告では、大型サイズの画像を添付して目を引けるでしょう。また、他社と差別化を図りたい場合は、変わった形を選べます。
具体的には、住宅展示場のDMや中小企業向けの高単価商品のDMなどに、変形ハガキDMが適しています。
封筒DMのメリット・デメリット
封筒DMは自社の目的に応じて封筒を選びやすいメリットがある一方、コストが高く、開封率が低いデメリットもあります。それぞれについて解説します。
メリット
封筒DMは封筒自体で広告効果を高めやすいことがメリットです。たとえば、白色の上質な封筒で重要書類であることをアピールして開封率を高めたり、自社カラーの色封筒を使うことで記憶に定着させたりするなど工夫できます。
また、OPP封筒やCPP封筒などのビニール封筒を使ってコストを抑えることや、厚みのある封筒を使ってカタログやクーポン券を同封するなど、選択肢が広いこともメリットです。
関連:DMでクーポンを送ろう!クーポンの意義や魅力的なクーポン送付方法とは?
デメリット
封筒DMは、製作費に加えて封書の手間がかかるため、他の種類に比べるとコストがかかることがデメリットです。
また、DMとわかった時点で、中身を確認せずに処分されてしまうケースもあります。
関連:DMを封筒で送るメリット・デメリットと開封率を上げるポイントをわかりやすく解説
封筒DMが向いているケース
封筒DMは開封率が高いことがわかっている顧客に対して、自社の商品・サービスをしっかり伝えたい場合に向いています。
たとえば、ロイヤル顧客やリピーターに宛てたDMです。このような顧客にカタログやチラシ、クーポン券を同封した封筒DMを送付すれば、売上に直結する可能性が高まります。
圧着ハガキ・圧着封筒DMのメリット・デメリット
ここでは、圧着ハガキ・圧着封筒DMのメリットとデメリットをそれぞれ解説します。
メリット
圧着ハガキ・圧着封筒DMは、パーソナライズした内容を印刷できることがメリットです。バリアブル印刷によって文面や画像などを変えて刷り分けることで、個別作成したような訴求力の高いDMを作れます。
圧着DMは、プライバシーを守れるうえ、一度開封してもらえると、内容を熟読してもらいやすい傾向があります。
製作の工夫で費用対効果も高くできます。圧着DMは郵便局の規定を満たすと、広告郵便物、区分郵便物、バーコード付き郵便物などの「割引対象郵便物」として、郵便料金の割引が受けられるからです。(参考:広告郵便物とは?料金の割引率や利用条件、マークの表示方法などを解説)
デメリット
DMをパーソナライズできる反面、製作コストは比較的高くなります。予算が限られる場合は、圧着ハガキ・圧着封筒によるDMの大量製作は向きません。
ただし、大量でなくても、一定以上の規模になれば、基本的に業者に依頼します。個別に内容を変えて印刷物を社内製作すれば、人件費のほうが高くなってしまうでしょう。
関連:圧着ハガキとは?DM作成に圧着ハガキを利用する場合の特徴や効果など紹介
圧着ハガキ・圧着封筒DMが向いているケース
圧着ハガキ・圧着封筒DMは、ターゲットを絞り込んで効果的なDMを送りたい場合に向きます。圧着をはがす一手間があるため、高い開封率が見込める場合において、効果が見込めるからです。
多くの情報を掲載したい場合にも、圧着DMが向きます。三つ折りにすればハガキの6倍の情報を掲載することが可能です。情報量が多いため、一度開封してもらえば、高い確率でレスポンスが見込めます。
DMのサイズと送料
ここでは、通常ハガキ、規格内の定形外郵便物、定型郵便物のそれぞれについて、サイズと送料を解説します。
通常ハガキ
通常ハガキとして認められるサイズは短辺90〜107mm、長辺140〜154mmまでで、重さは2〜6gです。この条件を満たせば、1枚あたり送料63円で送れます。
規格内の定形外郵便物(変形ハガキDMなど)
手紙(第一種郵便物)のうち、規格内の定型外郵便物として送れるサイズは、短辺250mm、長辺340mm、厚さ30mmまでで、重さは1Kgまでです。送料は1枚あたり120〜570円です。
定形郵便物(封筒DMなど)
手紙(第一種郵便物)のうち、定型郵便物として送れるサイズは、短辺140〜235mm、長辺90〜120mmまで、重さは50Kgまでです。送料は1枚あたり84円になります。
関連:DMのサイズ選びのポイントは?種類・発送料金の目安など合わせて紹介
まとめ
紙媒体のDMには、ハガキや封筒などさまざまな種類があります。それぞれ特徴やメリットが異なるため、自社のマーケティングにあった種類を選びましょう。
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