クロスメディア(Cross Media)とは、ある情報について、文字や音、手紙や電子文書など様々な表現媒体(メディア)を用いて相互作用を狙うことです。多種多様なメディアを用いて表現することをマルチメディアと呼びますが、一方のクロスメディアとは、多くの表現媒体を使用して一層効果的な伝達を行うという積極的な意味、つまり複数のメディアを組み合わせて、消費者の行動を促し、相乗効果を高めるという意味が含まれているという点において、前者とは区別されています。例えるならマルチメディアが足し算であるならクロスメディアはかけ算であると言えます。
ひとつの情報を、複数のメディアで伝達することで、それぞれのメディアが持つ特長が相互に作用し、相乗的な効果を期待することが可能にならます。タレントが歌うテレビCMで購買層に記憶を植え付け、その後に新聞やチラシを使い、紙媒体で詳しい商品の説明と販売店の情報を書き込み、webに誘うリンク先を付け加えキャンペーン内容などの情報提供や、あるいはコンビニなどの売場では購入への目印としてPOP広告を配置するという流れになります。このように興味を持った人がWebから簡単にアクセスできるように、紙媒体からインターネットへ繋がるクロスメディア構造を用意しておくことで、紙媒体だけでは表現しきれない即時性や情報の広がりをもった情報の伝達が可能となるわけです。