アップセル(Up-Selling)とは、ある商品を購入した客に、同種のさらに高額の商品を推奨して販売する行為のことを指します。
企業が売上を増加するためには、顧客数を増やす方法と、1顧客あたりの売上金額を増やす方法があります。そして、後者の方法には、1回あたりの購入量を増やす方法、1回あたりの購入額を増やす方法と、購入頻度を増やす方法があります。このうち、アップセルは、2番目の方法にあたることになります。
顧客の側にしてみれば、高いものを売りつけられるのではないかという危惧もありますから、再購入時のタイミングで、顧客の財布の状態や嗜好をよくわきまえて、アップセルの提案をする必要があります。顧客のほうでも、もっと良いものを買いたいと思っていた時には、アップセルが成功する確率が高くなり、その商品により顧客満足度が更に高まることになれば、顧客の自社に対する長期的なロイヤルティーを確保できることにもなりますし、顧客の購買頻度の更なる増加につながることにもなります。
なお、クロスセルという販売手法もあり、該当商品に関連する商品も併せて販売するという手法ですが、こちらは顧客に対する利便性を提供しているものと言えます。