ROI(Return on investment)すなわち、投下資本利益率とは、投下資本額に対してどれだけ効率的に利益額を得られたかという企業の収益性を示す指標で、この値が高いほど収益性が良いことを意味します。
例えば、A企業は、1億円の資本を投下して年間1千万円の利益を獲得すれば、1千万円÷1億円=0.1、すなわち、10パーセントです。これに対して、B企業は、10億円の資本を投下して年間5千万円の利益を獲得すれば、5千万円÷10億円=0.05、すなわち、5パーセントで、A企業の半分の値のため、B企業はA企業の5倍の利益額を獲得したにもかかわらず、A企業の方がB企業より収益性が高いこととなります。
これは、B企業は、A企業の10倍の資本額を投下したにもかかわらず、5倍の利益額しか獲得することができなかったため、A企業の方が効率的に利益を獲得することができたこととなり、A企業の方がB企業より収益性が高いことを示しております。
投下資本率(=利益額÷投下資本額)=売上高利益率(利益額÷売上高)×投下資本回転率(売上高÷投下資本額、と分解できますから、投下資本利益率を高めるためには、できるだけ付加価値の高い商品を売り上げることによって売上高利益率を高めるか、短期間にできるだけ多くの商品を売り上げて投下資本回転率を高めることが必要となります。