BEP(Break Even Point)とは、損益分岐点のことです。この損益分岐点は、売上高と費用がちょうど等しくなる点のことで、通常、管理会計ではその売上金額、経営工学ではその売上数量を示します。つまり、売上高がこのポイント以上になれば利益が出ることになり、このポイント以下になれば損失が出ることになりますので、ここが採算点となるわけです。
従って、企業が利益を上げるためには、売上高を増やす方法と、損益分岐点を下げる方法の2つがあることになります。そして、損益分岐点を下げるには、固定費を減らす方法と、変動費を減らす方法の2つがあります。固定費を減らすには、正社員を減らして安い労働力やアウトソーシングに切り替えたり、稼働率の低い設備を除却する方法などがあり、変動費を減らすには、材料費や物流費の削減などの方法があります。
また、損益分岐点の売上高を実際の売上高で割った数値は、損益分岐点比率と呼ばれ、経営分析によく使われます。すなわち、この損益分岐点比率が低いほど収益性が高く、経営が安定しているものと判断されます。具体的には、80パーセント程度が理想とされますが、90パーセントを上回る業種もかなりあります。